- 所属球団
- 元阪神タイガース
- 氏 名
- 上坂 太一郎(かみさかたいちろう)
- ポジション
生年月日
出身地 - 内野手・外野手(右投右打)
1977年4月14日
愛知県
【球歴】
- 出身中学(出身チーム)
- 中京エンペラーズ(愛知県)
- 出身高校
- 享栄高校(愛知県)
- 出身大学
- -
- その他出身チーム
- 王子製紙春日井
【プロ野球歴】
- プロ野球入団
- 1999年 ドラフト5位 阪神タイガース
- 所属球団( )内は背番号
- 2000年~2007年 阪神タイガース (43)
- 引退
- 2007年
【プロ野球(NBA)通算成績】
- 通算:8年
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試合数 打数 得点 打点 安打数 二塁打数 三塁打数 本塁打数 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率 243 569 67 37 141 149 6 7 15 17 2 49 2 76 .248
- 2008年~ もつ鍋「かみ坂」プロデュース
ゴルフ練習生 (江連 忠 ゴルフアカデミー所属)
- 【 練習場 】
- 江連 忠 ゴルフアカデミー
- 【 住所 】
- 兵庫県神戸市北区山田町西下字押部通15番地 (六甲国際ゴルフ倶楽部内)
- 【 電話 】
- 078-581-4145
- 【 - 】
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- 【 - 】
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- 【 地 図 】
- 場所はコチラ
- 【 WEBサイト 】
- http://www.ezure-tadashi.com/school/index.html
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- 真木
- 「こんにちは、さすがにゴルフ場だけあって自然もいっぱいで良い環境だね~。ここでずっと練習に打ち込んでるんだ?」
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- 上坂
- 「そうですね。でもそろそろ環境も変えて、東京に出て行って修行をするか、実家に戻って土日だけでもキャディーをしながらそこで毎日練習をさせてもらうか、もう1年ここで練習を続けるか、来年の挑戦に向けて迷ってる時期なんですよ」
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- 真木
- 「そもそも野球の引退後に何でゴルファーを目指す事になったの?」
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- 上坂
- 「まだ身体も動いてたけど野球は辞めなきゃいけなくなったんで・・・。クビになってから3か月くらいは迷ってたんですけど、やっぱりまだまだ身体を動かして勝負したいなと思ってですね」
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- 真木
- 「引退後、もつ鍋屋さんもやってたよね?」
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- 上坂
- 「そうですね、このプロゴルファーを目指して練習をしながらやってたんですけど、どっちもってなると中途半端になってしまって集中できなかったんですよ。ゴルフでももつ鍋屋の方でもやっぱり考えなきゃいけない事がたくさんあって、結局何がやりたいのか?って自問自答してやっと去年くらいからゴルフ一本に集中するように決心したんです。そしたらやっぱり結果も出てくるようになってきたんで」
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- 真木
- 「ごめん、俺、ゴルフの世界はまったく分からないんだけど・・・。今はどういう状況なの? まずはプロテストに合格するって事が目標なの?」
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- 上坂
- 「え~っと、一応もうアマチュアではないんです。ゴルフの世界ってちょっと難しくて、”PGA”って言うライセンスがあるんです。これが俗に言う”プロ”の資格ってとらえたら良いんです。これを一度取ってしまえばほぼ永久的に”プロ”とは言えるんです。 それと別に”ツアープロ”って聞いたことありませんか? それは”QT(クオリファイングトーナメント)”と言われる予選会があって、その予選会はファーストQT、セカンドQT、サードQT、ファイナルQTって言う段階があって、まずはファーストQTに通過するとツアーに参加する資格を得れる”ツアープロ”と言う事になるんです」
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- 真木
- 「そうなんだ~。初めて聞いたけど野球みたいに”プロ”って言う考え方自体が複雑なんだね。 俺たち素人からしたら、プロテストに合格したら”プロ”と言う事になるのかと思ってた」
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- 上坂
- 「そうでしょうね~。例えばPGAの”プロ”ライセンスを取ったとしても”QT”の予選を通っていかないとツアーには出られなかったりもするんですよ。 その”ファーストQT”を、やっと今年通過したんです。今まで3年くらいずっと通過できなかったんですけどね。昨年からゴルフ一本に集中したら結果も付いてきたので、もっともっと集中して頑張ろうと思ってるんです」
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- 真木
- 「俺も素人ながらゴルフをする事もあるけど、ツアーに出たり目指してる人達ってどんなレベルなの?」
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- 上坂
- 「例えばさっき説明した”ファーストQT”を通過するのも、昔は3日間で通算10オーバーくらいだったらしいんですけど、だんだんレベルも上がってるみたいで、3日間で通算5オーバーくらいまでで終わらないと通過できないんです。あくまで”ファーストQT”通過だけの話ですけどね」
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- 真木
- 「また素人の知識で悪いんだけど、ゴルフの世界ってプロになっただけでは飯は食えないってよく聞くよね? ホント厳しい世界なんだろうね」
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- 上坂
- 「そうですよ~。よく野球とは違うな~って思うんですけど、ゴルフの場合”プロ”って言ってても、もちろんトップレベルで活躍する人もいれば、一緒にラウンドしてみて『これでプロなんだ~』って思う人も正直いるんですよね。野球の世界では、自分の意志に関わらず辞めなきゃいけないとか、プロとは言えなくなる世界だから、野球の世界とゴルフの世界の”プロ”はちょっと違いますね。 ゴルフは自分自身がやるかやらないかの世界なんです。そういう意味でも、野球のプロを経験してきた僕には『挑戦したい!』と思う世界なんですよ。 野球選手の頃のようにとにかく必死に練習をすれば勝負できるんじゃないかって感じてるんです」
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- 真木
- 「ゴルフの練習で必死にやるって言ったらどういう感じ? 野球で言ったら投げ込みや打ち込みをしたり、ランニングしたりトレーニングしたりってあるけど?」
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- 上坂
- 「ゴルフって打つばっかりじゃなくて、アプローチもあるしパターもあるし。それをまんべんなくしっかりと練習しないとダメですね。 自分の好きな事しか練習しない人は一流にはなれないと思うんですよね。もちろんショットもありますけど、地味なアプローチでもパターでも、全てが一流じゃないと勝ち上がれないですからね」
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- 真木
- 「でも。こんな話を聞かせてもらったらすごくうらやましく思うな~。野球が終わってもまだそうやって勝負の世界に飛び込んでいって競技は変わっても現役で挑戦し続けてるんだもんな~」
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- 上坂
- 「みんな野球を辞める事になった人達がそれぞれで第二の人生を送ってて、その中で、ジャンボ尾崎さん以外に元プロ野球選手がゴルフの世界で活躍してる人っていないじゃないですか。みなさん挑戦するって報道はありますけどそれ以上の成果は聞かないんですよね。それを僕は何年かかってでもゴルフの世界で名前を残せるようにとことん挑戦しようと思ってるんです」
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- 真木
- 「そうだね。それでプロ野球選手の第二の人生として挑戦できる世界なんだって証明できる第1人者になってほしいね」
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- 上坂
- 「そうですね。みんなゴルフに挑戦したいけど、たぶんそんな甘いもんじゃないだろうなって諦めてる人もいると思うんですよね。もちろん甘い世界じゃないでしょうけど、でもやれば出来る人もいると思うんですよね」
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- 真木
- 「確かに。みんな野球選手は身体能力が高い人が多いだろうしね。問題はゴルフの世界に飛び込んでいってすぐに結果が出るわけじゃないだろうから、そういう何年もかかる下積み期間を辛抱できるかどうかだろうね」
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- 上坂
- 「はい。そんな1年や2年で上の方に食い込んでいけるほど甘いもんじゃないですからね。僕の場合、最初始めてから2年か3年くらいはゴルフだけに集中は出来てなくてお店もやってたりもしてたから、その間はいろんな経験もして人生経験としては良かったと思いますけど、ゴルフの事を考えるとやっぱり少し遠回りしちゃったのかなって思います。最初からゴルフ一本で集中して挑戦してたら、もう4年目になるのでどうなってたのかな?って言うのも考えたりしますね」
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- 真木
- 「野球で見てもクビになった後海外に挑戦したりして現役にこだわり続ける人もいるけど、上坂君みたいにゴルフに転向して挑戦し続ける人も本当に頑張ってほしいな~」
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- 上坂
- 「でもいろいろ言われる事もあるんですよ~。『そんなのやったって無理だ』とか『そんなに甘い世界じゃない』とか言われる事も多いですからね。逆にそういう言葉もあったからこそ頑張ってこれてるんだと思います。やぱり悔しさとか意地があって絶対に見返してやるんだって思いますもんね。将来的にはそういう言葉をもらった人達に感謝する自分になりたいなって。 口ではそう言ってますけど、実際はそんな事ばっかり言われると落ち込んでるんですけどね~(笑)」
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- 真木
- 「ハハハ、やっぱり現実はそうなるよな~。でも何だかんだ言っても、やっぱり生きていく為にはお金を稼がなきゃいけないだろうし、その点ではプロになったとしても収入が安定するって世界でもないんでしょ?」
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- 上坂
- 「そうですよ。でもね、今はそういうお金を稼ぐとか生活をする為にどうするとかを考えるのはやめようと思ったんです。野球でも、子供の頃とかはそうだったと思うし、ゴルフでも子供とかジュニアクラスの子達っているんですけど、そういう時期ってお金の事とか賞金の事とかなんて考えないと思うんです。野球が楽しい、ゴルフが面白いから練習して上達してレベルが上がっていくって。 そこにお金を稼がなきゃとか、給料が・・・とかを考えるとどうしても邪魔になるんだって。僕も最初はそういうのがあってお店をやったりしてたんですけど、やっぱり違うなって邪魔になってるように思うようになったから。今は古いアパート暮らしでも、車も実家にあった車を借りて、何とか生活できてるからいいんだって思うようにしてます」
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- 真木
- 「いいね~、いつまでも夢を追いかけてまだまだ希望にあふれてるね」
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- 上坂
- 「僕はプロ入団前は社会人野球にもいたんでサラリーマンも経験してるんです。そこからプロの世界に入ったので、夢や希望を追いかけれる事のありがたさを本当に感じてたんです。だから生活は大変なんですけど、今の挑戦もすごくやりがいを感じてますし楽しいですね」
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- 真木
- 「実際、PGAにしてもQTにしてもテストはどういう流れなの? 年間で1回だけの受験って事になるんだよね?」
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- 上坂
- 「そうですよ。QTはさっきちょっと説明しましたけど、PGAの方もQTとは別ですけど似たような感じです。 だいたい春に始まって、1次、2次、3次と秋に向けて進んでいきますね。その間、それぞれエントリー者数のうち上位何位までって言う基準をクリアしていきながら進んでいくんです」
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- 真木
- 「今年はQTのファーストは通過したって言ってたけど、PGAの方は受験したの?」
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- 上坂
- 「はい、PGAの方は今年初めてチャレンジしたんです。そしたら初挑戦で最終まで行けて周りのみんなからビックリされました。PGAは2次を通過するのがすごく難しいみたいで、エントリー者数が150人くらいいるとしたら、だいたい上位20~30位までが通過ラインなんです。それを通過したから最終は大丈夫だろうってみんなに言われてたんですけど、残念ながら最終で落ちてしまって・・・」
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- 真木
- 「惜しかったんだ~。初挑戦で一発合格のチャンスだったのにね」
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- 上坂
- 「そうなんですよ~。正直言うとそれを狙ってたんですけどね。でも、このQTにしてもPGAにしても、エントリーするだけですごくお金も掛かるんですよ。それぞれ1次ごとにエントリーするだけで数万円かかるんです。で、練習ラウンドや予選中(3日~4日間)のラウンドもお金かかりますし、場所が遠方になるとそこまでの交通費や期間中の宿泊費も全て自分で負担しなきゃいけないんですよ。1次を受けるだけで10~20万円くらいかかるんです。最終までいけるとその3倍~4倍くらいかかるんですけど、最終で落ちちゃったから・・・。手応えを感じれた反面、出費もすごかったんです。そこまで行けたからと言って来年アドバンテージがある訳でもなく1からやり直しですから、練習生にとっては厳しいんですよね~」
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- 真木
- 「そりゃ大変だ~。プロになってからでもお金かかるとは聞いた事あるけど、実際はプロになるまでも大変なんだね。
今日は上坂君がまだまだ希望を持って頑張ってるって話を聞いたから、いつものOB取材の内容とは全然違うものになってしまったよ」
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- 上坂
- 「そうなんですか? こんなんで大丈夫ですか?」
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- 真木
- 「全然大丈夫! いつもだったら、野球をやってきた子供の頃とかプロでの経験とか心境とかを聞かせてもらうんだけど、でも今日は良い話を聞けたし、ますます上坂君に頑張ってもらって元プロ野球選手の希望の星になってもらいたいと思えたし、ホント良かったよ。ありがとう」
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- 上坂
- 「いえいえ、こちらこそこんなんで良ければ」
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- 真木
- 「ホント、今後のプロ野球選手が戦力外になった時、上坂さんのところに相談に行って後を追わせてもらいたいって言われるように頑張ってよ。陰ながら応援させてもらうよ」
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- 上坂
- 「陰からじゃなくお願いしますよ!(笑)」
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- 真木
- 「今日は練習前の貴重な時間をありがとう。練習頑張ってな」
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- 上坂
- 「ありがとうございます。テスト合格したら連絡しますので、その時はまた紹介してくださいね」
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- 真木
- 「もちろん!! 早くその連絡をもらえる事を願ってるよ」
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- 上坂
- 「頑張ります!」