大西 宏明

profile

所属球団
元近鉄バファローズ
元オリックスバファローズ
           元横浜ベイスターズ
           元福岡ソフトバンクホークス
氏 名
大西 宏明(おおにし ひろあき)
ポジション
生年月日
出身地
外野手
1980年4月28日
兵庫県

【球歴】

出身中学(出身チーム)
堺ビッグボーイズ(ボーイズリーグ)
出身高校
PL学園高校(大阪府)
出身大学
近畿大学
その他出身チーム

【プロ野球歴】

プロ野球入団
2002年 ドラフト7位 近鉄バファローズ
所属球団( )内は背番号
2003年~2004年 近鉄バファローズ      (50)
2005年~2007年 オリックスバファローズ  (50)
2008年~2010年 横浜ベイスターズ      (33)
2011年       福岡ソフトバンクホークス (134)
引退
2011年

【プロ野球(NBA)通算成績】

通算:9年
試合数 打数 得点 打点 安打数 二塁打数 三塁打数 本塁打数 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
554 1254 162 131 319 57 3 27 25 27 9 121 18 282 .254

next stage

2012年4月~     プロ焼ゅう肉屋「笑ぎゅう」開店
【 店名 】
プロ焼ゅう肉屋「笑ぎゅう」
【 住所 】
大阪市中央区東心斎橋2-4-28 みくにやビル1F・B1F
【 営業時間 】
月~土 18:00~翌5:00  日・祝 18:00~翌1:00
【 定休日 】
不定休(月末頃に月1回)
【 電話 】
050-5798-2834
【 地 図 】
場所はコチラ
【 WEBサイト 】
http://r.gnavi.co.jp/kb5x000/

interviews

「大学4年間でホームラン0本だった僕が、プロの世界で打てるなんて思ってもなかったですよ」

  • 真木
    「こんにちは、今日はよろしくお願いします」
  • 大西
    「こちらこそよろしくお願いします」
  • 真木
    「お店の名前が、プロ焼ゅう肉屋「笑ぎゅう」って言うんだ?」
  • 大西
    「そうなんです。僕自身の座右の銘が「人生楽笑」なんです。それと関連させた感じですね~」
  • 真木
    「そうなんだ~、現役時代もそうだったけど、今でも個性的なんだね~。
    そんな個性的に育った大西さんの少年時代ってどんな子供だったの?」
  • 大西
    「ウチは父親が元高校球児で2歳上の兄もいるんですけど、兄が先に野球を始めてたので、僕は物心がついた時には自然とボールを握って遊んでましたね。野球のチームに入ったのも小学校2年生の時でしたから、どちらかと言うと自分の意志というよりは家族での自然の流れでしたね」
  • 真木
    「完全に野球一家だね~。父親が野球経験者だと、家での練習も厳しかったって言う話をよく聞くんだけどどうだった?」
  • 大西
    「まさにその通りですね。小学生の頃なんかは、平日でもほとんど毎日練習のあるチームだったんです。チームの練習を終えて家に帰ると、今度は夕食後に父親から『手のマメが潰れるまで素振りをしてこい!』って半強制的に行かされるんです。 だから正直言うと、子供の頃はずっと野球が楽しいなんて思えた事はありませんでしたね」
  • 真木
    「へ~、親が厳しかったって話はよく聞くけど、野球を楽しいとは思ってなかったってハッキリと言い切るのは少ないかもな~。
    中学生になったら気持ちとかにも変化はあった?」
  • 大西
    「う~ん・・・、あまり変わらなかったですかね。大人になった今、中学時代のチームの監督さんとかに会うことも多いんですけど、その監督さんがよく言っているのは、当時はとにかく自分に野球を辞めさせないって事が一番の使命だったって言われますね。 だからでしょうね、いろんな守備位置を守らせてもらった記憶がありますよ」
  • 真木
    「チームの指導者も何かを感じてたんだね。大西さんが野球を楽しく感じてないって気持ちを。
    じゃあ反対に、野球に対して楽しさとか情熱を自分で感じるようになったのはいつくらいだったの?」
  • 大西
    「そうですね~、高校1年の冬練習くらいからですかね~。ウチの高校はけっこう上下関係も厳しくて、当時1歳上の先輩達の事はやっぱり好きじゃなかったんですよね。だから練習で走ったりしてる時、絶対にこの先輩達からレギュラーを奪ってみせるって真剣に思うようになりましたね」
  • 真木
    「ハハハ、それもやっぱり野球が好きになったって言うよりは反骨心みたいな気持ちからなんだね~。それでもあの名門のPL学園に行くくらいだから心の中では野球が好きだったんじゃないの?」
  • 大西
    「う~ん、そうかもしれませんけど、でも高校に進学する時も自分が望んでPLを選んだ訳ではなかったんですよ。中学生のある時、チームの代表の方から好きな高校はどこだ?って聞かれて、あまり関心がなかったって言うか多くの高校を知らなかったんで、とりあえず有名で知ってたPL学園の名前を答えたんです。普段と変わらない単なる日常会話みたいな感じでですよ。そしたらその代表から、その日の夜に電話が掛かってきて、PL学園の人と話をつけたからPL学園に行きなさいって言われて、勝手にレールを敷かれたって感じだったんですよ」
  • 真木
    「PL学園って言ったら名門でそう簡単に行けるはずないのに、そんな簡単に行けてしまったって事はそれだけ実力はすごかったって事なんだろうね。
    でも結果、そのPL学園であの伝説の試合を経験するんだもんね~? 松坂がいた横浜高校との延長17回だっけ? あの試合はグラウンドにいた選手はどうだったの?」
  • 大西
    「正直その時はその試合に必死だったので特に何を感じていた訳ではなかったですね。でもやっぱり大人になってから思うと、そう簡単には経験出来ない事が出来たんだな~と思いますし、あの試合で自然と教えられた事がある事に気付きました。
    それは、最後の最後まで諦めたらいけないと言う事ですね。あの試合の中で、延長11回裏1点リードされた状況で2死2塁の場面、僕に打順が回ってきたんです。その前の4番打者は三振に倒れてベンチに帰ってきたときに涙を流してたそうなんです。そしたらベンチにいた他の選手が、その4番打者に向かって「まだ終わってないんやから泣くな!」って怒ってたそうなんです。それで僕が初球のカーブを同点タイムリーを打ったんです」
  • 真木
    「へ~、もちろん大西さんは打席に入ってるからそのやり取りは知らないんだよね?」
  • 大西
    「はい、その話は後から聞きました。 アウトになったらその時点で試合終了になってしまう打席で、しかも相手ピッチャーはあの松坂投手で、その場面で初球のカーブを打っちゃうのは普通に考えたらありえない話ですよね。でもそれがなぜか自然とバットが出たんですよね。後になって考えたら、自分でもビックリですよ」
  • 真木
    「確かにそうだね。剛速球の松坂投手なわけだから、基本的にはストレートにタイミングを合わせてるはずだもんね。
    そんな貴重な経験をしながら、大学を経験してドラフト指名までたどり着くわけだよね? そこまでの経緯はどんな流れだったの?」
  • 大西
    「正直、高校卒業時もプロ志望ではあったんですけど評価が低かったので、それだったらもう1ステップを踏んで上位指名されるように頑張った方が良いんじゃないかって事になって大学に進学したんです。大学ではリーグ戦での首位打者を取ったり、プロ野球キャンプの招待選手にも選んでもらえたりいろいろな経験をさせてもらえて良かったです。最終的には大学卒業時も評価は低かったんですがドラフト指名も受けたんで」
  • 真木
    「ドラフト当日はどんな感じだった?」
  • 大西
    「やっぱり緊張しましたね~。前もって指名をしてくれるとは聞いてはいましたけど、それでもやっぱり7位指名って言ったらホントに最後の方ですからね。 よく、指名待ちだったけど結局指名されなかったって話を聞いていたので内心はビビッてましたね~。だからその分、指名された事を聞いた瞬間はホッとしました。同じ歳に阪神に指名される林もいたので一緒に待ってたのを覚えてますね」
  • 真木
    「プロ入りしてみてどうだった?」
  • 大西
    「ルーキーの1年目、結局ほとんど2軍にいたんです。もう今は亡くなってしまったんですけど、その当時の2軍バッティングコーチが鈴木貴久さんで、貴久さんが付きっ切りで僕にバッティングを教えてくれたんです。
    そしたら2年目になっていつの間にかプロでも打てるようになってて自信を持てるようになってました」
  • 真木
    「へ~、あの鈴木さんがそんなに教えるのが上手だったとはね~。独特な雰囲気を持った人だったもんな~」
  • 大西
    「でも、7位指名だし、1年目はほとんど2軍だったしで、簡単に1軍で出れるようになった訳じゃないんですよ。僕の中ではある出来事があって、そのワンチャンスをモノに出来たんですよ。
    2年目の春のキャンプの出来事なんですけど、その年も2軍スタートだったんです。そのキャンプの中盤に1軍が紅白戦をやるからって、予備選手として2軍代表で1軍に参加したんです。とは言っても1軍選手のケガやアクシデントの時の為の予備なのでもちろんベンチスタートだったんです。そしたらまだ若手でスタメンだった森谷さんが、1番バッターでいきなり3球見逃しの三振をしてしまって怒られて交代させられる事になったんです。その時に1軍のコーチが外野を守れると言うだけで僕を指名してくれて、もう僕は必死でしたね。結局その紅白戦で2安打して、その後も1軍の紅白戦に呼んでもらえるようになったんです」
  • 真木
    「そんなターニングポイントがあったんだ~。ある意味、森谷選手のお陰だね~(笑)。
    でもそこから9年間もプロ野球生活を送ったんだもんね~。プロ野球生活の中で一番嬉しかった事ってどんな事?」
  • 大西
    「やっぱり、初ヒットと初ホームランですかね。プロに入団する前は、お前はプロでは打てないから、守備と足で勝負しろみたいな事を言われてたんです。そう言われても仕方なかったのは、僕、高校通算でもホームラン5本だし、大学にいたっては通算ホームラン0本なんですよ。だから、プロではヒットは打てたとしてもホームランなんか打てないだろうって自分でも思ってましたから。それがホームランも打てましたし、しかもその初ホームランの日、次の打席でもホームランを打っちゃったんですよ」
  • 真木
    「え~?大学で1本も打てなかったホームランをプロでは2打席連発?
    それもやっぱり1年目の鈴木貴久さんの教えのお陰なんだ? 貴久マジックだね~。 それはビックリだ! しかも2年目のそのシーズンだけで10本打ってるんだ?」
  • 大西
    「本当に鈴木さんには感謝してます。僕のプロに入ってからのバッティングそのものは鈴木さんのお陰なんですよ」
  • 真木
    「そんな経験をしながら9年間の現役生活を引退する事になって、ユニフォームを脱いだ今、現役選手に未練とかはないの?」
  • 大西
    「う~ん、全くないって言ったらウソになるかもしれませんけど、でもないですね。ここまで野球をやってきて、最後は人からクビって言われるんじゃなくて自らの意思でユニフォームを脱ぎたいって言うこだわりがあったので、最後は1年だけソフトバンクで育成選手としてプレーしたんですけど、夏くらいには自分から球団に来年はもうプレーしませんって伝えたんです。でも野球がイヤになった訳じゃないので、そのシーズンの最後まではちゃんと自分のやれる事はやったつもりです」
  • 真木
    「そんな引退の仕方だったんだ~? じゃあ未練とかもないわけだね」
  • 大西
    「そうですね。だからシーズンオフのトライアウトとかテストも一切受けませんでしたし」
  • 真木
    「それですぐにここのお店の準備になったんだ?
    どう?そろそろ引退してから丸1年が経つけど、プロ野球選手とこうやって一般社会での生活と、何か違いを感じる事はある?」
  • 大西
    「プロ野球選手が偉いとか言う意味じゃないんですけど、でもやっぱり野球選手って特殊だったんだなってつくづく思うことがありますね。もう慣れてきましたけど、やっぱりこうやって接客業をやっているといろんな経験もしますし、自分の感情を押し殺す事も必要になりますしね。今までの生活では自分の感情を抑えるなんてほとんど考えた事なかったですからね~」
  • 真木
    「やっぱりそうなんだね~。それは多くの人が同じことを口にしてるな~。プロの世界にいる時も感じてはいるけど、でもやっぱり辞めて一般社会に出てから改めて感じさせられる事の方が強いよね。
    無理な話かもしれないけど、今の、将来の現役選手にもその辺はしっかりと認識して欲しいと思うな~。
    じゃあそろそろ最後になるんだけど、プロの世界も経験した大西さんから野球少年やその家族の人達にアドバイスできる事ってどんな事?」
  • 大西
    「まず僕の経験から1番に言いたい事は、どこにどんなチャンスがあるのか分からないので、何があっても諦めない事、そしてその巡ってきたチャンスを掴み取って欲しいと思いますね」
  • 真木
    「そうだね~。プロの中でも大西さんみたいにチャンスを掴みとった選手って少ないもんね~。だいたい今のプロの世界って、期待されてる選手にはレールが敷かれて育成時期を経て上に上がってくるようになってるもんね~」
  • 大西
    「ですよね。それから家族の人達には、周りの人達が勝手に可能性を閉ざしたり限界を決めてしまったりして欲しくないですね。特に子供であればまだまだ無限に可能性は広がってると思うんです。
    僕も一応野球をやってプロにはいけましたけど、もしかしたら野球以外のスポーツをしていたらまだ現役生活を続けてるかもしれないですし、歌手になったたらどうなってたか分からないですしね。
    可能性は誰にでもどんな事でもあるんだって事を真剣に考えて欲しいですね」
  • 真木
    「うんうん、じゃあ今度は、今から大西さんが歌手になってテレビで見れることを期待してるよ(笑)」
  • 大西
    「いえいえ、大丈夫ですよ」
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